パワハラも虐待もDVも同じ構図…
「力と支配」の関係性。
上から下へと向かっていきます。
怒りも同様です。
心理カウンセリングという仕事もさせて頂いておりますと、
パワハラの御相談も少なくありません。
(だいたいは、精神的に参ってしまい休職中か、
退職されてからも精神的にダメージを受け続けていらっしゃる方の
カウンセリングが多いのです。)
1人のパワハラ上司が複数の部下をダメにします。
1人のパワハラ先輩がいれば、これから育つであろう後輩達を退社に追い込みます。
きっと、そのパワハラ上司・パワハラ先輩が、しっかりと意識改革ができない限り、
職場での被害者は後を絶たないでしょう。
厚生労働省が出している「数字でみるパワハラ事情」を御紹介いたします。
道府県労働局等に設置されている「総合労働相談コーナー」に寄せられる
「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が年々増加しているそうです。
平成24年度では,「いじめ・嫌がらせ」が相談のトップとなっていることは以前も紹介させて頂きました。
わかりやすい統計グラフが厚生労働省から出されていますので、掲載いたします。
生活をしていくためには働かないといけません。
働く場所において、ひどい嫌がらせ、いじめ、暴行やトラブルに巻き込まれてしまうと、
精神障害を引き起こし、仕事を辞めざるを得ないということにもなりかねません。
労災補償を受けられれば、まだいい方かも知れませんが、
ほとんど泣き寝入りなのではないでしょうか…
対人関係による件数は年々増加しているそうです。
さらに、過去3年間、パワーハラスメントを受けたことがあると回答した者は
回答者全体の25.3%にも及びます。
また、パワーハラスメントを見たり、相談を受けたことがあると回答した者は回答者全体の28.2%、
パワーハラスメントをしたと感じたり、したと指摘されたことがあると回答した者は7.3%いるそうです。
過去3年間に受けたパワーハラスメントの内容としては、「精神的な攻撃」が際立って多いのだとか。
そして、当事者の関係性をみると…
「上司から部下へ」、「先輩から後輩へ」、「正社員から正社員以外へ」というように、
立場が上の者から下の者への行為が大半を占めています。
それはそうです!
虐待もDVもいじめも、セクハラもパワハラも、強い者から弱い者へと向けられているのが特徴。
「力と支配」「上下」「主従」の関係。
怒りも強い者から弱い者へと向かいます。
生きていくための基盤となる家庭や仕事(職場)。
身近な人間関係を築くところでもあります。
感情的に傷つけあって、生きることが辛くなっていくことを、人は誰も望んでいないはずです。
自分の怒りと向き合い、マネジメントできるようになると、
精神衛生上もよくなるどころか、経済においても生産性が上がることも間違いないと思っています。
感情的になって一人一人を潰していくのではなく、
一人一人が活かされる世の中を創っていきたいものですね!
出典元)http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/statistics/state
ナガナワ フミコ