こどもの頃に虐待を受けてトラウマで苦しんだ子が攻撃的になりやすい といわれています。
攻撃的な人の脳の機能は異なっているといわれ、それが虐待によるものか、、攻撃的な人間だからなのか判断は難しいのだそうです。
けれども、Carmen Sandi氏が率いる研究チームは、マウスを使ってこのナゾを解明したそうです。
マウスをこどもの頃からストレスにさらし、随時、脳をスキャンして観察しました。
その結果、こどもの頃の体験が脳の形成に大きく影響をし、その結果、攻撃的・暴力的な大人に成長を遂げることがわかった のです。
難しい状況にあるときには衝動を抑えて、平常心を維持しようとして、眼窩前頭皮質が活性化するそうです。
※眼窩前頭皮質(眼窩前頭野):ヒトの脳にある連合皮質の領域の一部。意思決定などの認知処理に関わっているとされている場所。心のブレーキをかける自己制御の中枢の一方、欲望及びアクセルの働きをしています。損得を見極めたり、善悪の価値判断をしたり、道徳や倫理観とも深く関係しているといわれています。
ところが、研究の中で、こどもの頃からストレスを与え続けたマウスの眼窩前頭皮質はほとんど動かず、扁桃体の過剰活性が原因になっているとのこと。
そして、幼児期に受けた精神的なストレスが脳内のMAOA遺伝子を変異させて、攻撃的な性格に繋がっていることがわかったのです。
一方で、このマウスの実験により、この遺伝子を修正することができることも判明したようです。
研究者は、マウスにMAOAに影響する抗うつ薬を投与し、効果がみられたのだとか。
この先、トラウマによって変化した脳が、元の状態に戻る治療法が発見されるかもしれません。
ただ…
虐待に至る手前で、自らの怒りをコントロールする術を知っていることが大切だったりもします。
一度、脳内変化をしたものを元に戻すことはたやすいことではありません。
行動はコントロールすることができます。
怒りを知って、怒りと適切に関わっていけると良いですね!
出典元)
http://www.medicaldaily.com/childhood-abuse-changes-brain-treatment-might-change-it-back-244281
ナガナワ フミコ